株式会社 建設マネジメント四国
安田 省治 氏
廣井勇を顕彰する会の事業の一環として、平成30年9月3日から9月5日にかけて廣井勇に関する資料や業績を調査しに札幌市と小樽市に視察に行って来ました。
最初の視察先は、札幌農学校があった北海道大学、札幌キャンパスです。大学文書館では、私たちのために廣井勇関連の資料を一室に陳列して頂き、二人の学芸員が展示資料について、懇切丁寧に説明して頂きました。その説明から、廣井勇を心の底から尊敬し、北海道大学の誇りであるとの強い思いが伝わってきました。
二日目は小樽港の視察と小樽港港湾事務所の出前講座を受けました。小樽港では廣井勇の功績を称えた銅像を見学しました。この様な立派な銅像を生誕地にも建立するべきだと沸々と思いがわいてきました。
小樽港湾事務所の出前講座では第48代目の矢野所長から『北海道における廣井勇~札幌農学校教授・北海道庁技師・顧問としての活動と教え子達の北海道開拓~』と題して講演をして頂きました。講義の内容から小樽港を中心とした港湾を核として鉄道網を順次整備しながら、北海道が開発されていった様子が理解できました。そして、廣井勇が札幌農学校の教授、北海道庁の技師、顧問として北海道の港湾整備に非常に貢献したこと、それが「港湾工学の父」と呼ばれるゆえんであることも理解できました。
屋外講座として廣井勇が築造した北防波堤に上陸させて頂きました。上陸前、北防波堤を横から眺めた時に斜塊ブロック(斜め積みブロック)が築造から110年経過した現在も乱れず健全な状態を維持しているので当時の施工技術のレベルの高さには驚嘆させられる限りでした。
最後の視察は小樽市役所に迫俊哉市長を表敬訪問しました。迫市長からは廣井勇先生は小樽市と札幌市の小学校の副読本になっているという紹介がありました。常に民衆の気持ちになって物事を考え、清廉潔白な清きエンジニアであったことが評価されているようです。
廣井勇は札幌農学校、東京帝国大学の30年間の教授時代に超キラ星といわれる数多くの土木技術者を育成し、日本の近代化に大きく貢献しました。この様な偉大な功績を残した廣井勇の銅像は小樽市にはあります。しかし、生誕地には存在していません。廣井勇の功績を称える為にも生誕地に銅像を建立したいと思っています。その為にも皆様方の協力が必要です。興味のある方は「廣井勇を顕彰する会」に入会して頂き、銅像建立にご尽力して頂きたいと願います。どうぞよろしくお願いします。